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ブラジル・サンパウロ州のカンピナス都市圏で、セルフサービス型ランドリーが急速に増えている。地元メディアG1によると、店舗数は2022年の24店から2026年には141店となり、4年間で487.5%の増加となった。2026年は9月の時点で、すでに前年の112店を29店上回っている。無人または少人数で運営する店が多く、利用者は端末で洗濯機を選び、Pixやカードで支払う。洗濯から乾燥まで所要時間は約1時間で、店員との対面のやり取りは必要ない。接客を前提としない運営形態が、出店ペースを押し上げている形だ。

引用元: カンピナス都市圏でセルフサービス型ランドリーが4年間で487%増加(G1)

分析・見解

24店から141店へ、伸びを支えた「人がいなくても回る」仕組み

2022年に24店だった店舗数は、2026年には141店になった。4年で約5.9倍である。ただ、487.5%という増加率よりも、直近の動きに目を向けたい。前年の112店を、2026年は9月の時点で29店も上回っている。まだ年の途中なのに、前年を超えているのだ。年あたりに直すと、毎年およそ56%ずつ店が増えてきた計算になる。

この速さを支えるのは、運営の軽さだ。利用者は画面で機械を選び、Pixやカードで払う。店員との会話は要らない。人を置かなくてよい分、小さな区画でも採算を取りやすい。

競合は他店よりも、雨の日の物干しと家事の時間にある

ランドリーの価値は、洗濯機を持たない人のための代わりにとどまらない。毛布や大きな寝具のように家庭の機械では洗いにくいもの、天気が崩れて外に干せない日の洗濯物など、家での洗濯が行き詰まる場面を肩代わりする。洗って乾かすまで約1時間という所要時間は、乾き具合が天候に左右される自然乾燥よりずっと読みやすい。

つまり競争相手は、近所の別のランドリーだけではない。「今日は家で済ませるか、店に行くか」という、利用者の頭の中の選択そのものだ。時間を買う感覚が広がるほど、店の需要は底上げされる。

日本のコインランドリーが歩んだ道と重なる部分

日本でも、共働き世帯の増加や乾燥機の大型化を背景に、郊外の大型店が各地で増えた。洗濯を家の外に出すという発想が定着すると、店は「節約の場」から「家事を短縮する場」へ意味合いを変えた。カンピナスの動きも、同じ転換の入り口にあるように見える。

ただし日本と違い、決済がPixで完結する点は大きい。現金を扱わないので、釣り銭の補充や売上の回収といった手間が減り、無人化のハードルが下がる。

出店が続くほど強まる、商圏の取り合いと遠隔運営の負担

無人店は増やしやすい。しかしそれは、競合も増やしやすいということだ。同じ商圏に店が集中すれば、客の取り合いが始まる。機械の故障、水漏れ、いたずらといったトラブルも、現場に人がいないぶん発見が遅れがちになる。決済の記録は遠隔で確認できても、機械の復旧までは遠隔では済まない。

141店という数字は、成長の証しであると同時に、淘汰が始まる手前の数字でもある。生き残る店は、立地と機械の稼働率、そして清潔さで差をつけるだろう。無人であることは強みだが、無人だと感じさせない手入れこそが、再来店を左右する。

ビジネスへの影響

出店を考えるなら、まず商圏の混み具合と人通りを数える

カンピナスの例から学べるのは、需要があっても競争が先に来る、という点だ。出店前に確認したいのは三つある。半径1キロ内の既存店の数、集合住宅の戸数、そして夜間の人通りである。無人店は夜に使われやすいため、照明と防犯カメラの設置費も初期計画に入れておく。

また、設備は台数より回転で考える。洗濯から乾燥まで約1時間なら、一台が一日に回せる回数には上限がある。混む時間帯に空きがなければ客は離れる。大型機と小型機の比率を、周辺の世帯構成に合わせて決めたい。

無人運営でも、手入れと遠隔管理で差をつける

人がいない店ほど、清潔さが信頼になる。床や機械の拭き掃除の巡回頻度を決め、写真で記録しておくと、品質のばらつきを抑えられる。故障の通知を携帯に飛ばす仕組みや、決済の失敗を素早く拾う仕組みも欠かせない。

日本の事業者が海外の動きから得られる示唆は、店の数ではなく運営の型だ。決済、遠隔監視、巡回清掃を一つの手順書にまとめれば、店が増えても品質を保ちやすい。複数店舗を持つ前に、この手順書を一店舗で磨き込むことを勧める。

487%という数字を、そのまま信じすぎないために

元の数字が小さいと、増加率は大きく見える。24店が141店になった事実は重いが、地域の人口に比べて店が足りているのか、すでに多いのかは、この数字だけでは分からない。人口あたりの店舗数や、一店あたりの稼働率といった指標を合わせて見たい。増加率は入口の情報にすぎない。投資判断の根拠にするには、稼働率と回収期間まで確かめる必要がある。

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